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2018笹川杯作文大賽優勝獎作品賞析:「私と日本」

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優勝獎

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「私と日本——私と日本―漢方薬から見えた日本の素晴らしさ」

孫斌(浙江中醫藥大學濱江學院

私の専門は「日本語」ではなく、中國の伝統的な生薬や薬草などを研究する「中薬學」だ。一見すると、中國の伝統文化を代表する「中薬」は日本と何の関係もないようだが、実は深く関わっている。

大學二年生の時、ある日本人の教授が私の大學を訪問し、日本の漢方事情について講演した。深く感銘を受け、四年生になった今でも、その內容ははっきりと覚えている。

唐の時代、鑑真が中國の醫學をはじめとする多彩な文化を日本にもたらしたことに伴い、中薬もだんだん日本で広がっていった。江戸時代になると、西洋から伝わってきた「蘭方」と區別するため、日本人は従來の中國醫學を「漢方」と呼び始めた。日本の漢方は中國発祥だが、獨自の理論や體系を形成し、大きな発展を遂げた。現在、日本の漢方薬は世界市場でおよそ80%のシェアを佔めていて、圧倒的に中國を超えている。

それが教授の話のあらましだった。私は驚愕を隠せなかった。「80%ってどういうこと?中國は漢方の本家なのに、何で日本製はそんなに売れているの?中薬はいったいどこがダメなの?」と私は頭の中で何度も問いながら、ネットや教科書を頼りに答えを探ってみた。

タイレノールやアスピリンといった化學薬品は化學物質の合成によって得られるのだが、漢方の場合はそうはいかない。漢方薬は複數の生薬を組み合わせた方剤のため、一つの薬には多くの有効成分がある。しかし、一本の小さな薬草にも気が遠くなるような複雑な成分が含まれるので、生薬から要らない成分を除去し、有効成分だけを抽出しなければいけない。そして、有効成分の抽出度によって、薬物の効き目も大きく左右される。至難の作業と言っても過言ではない。

現在、業界を先駆けている日本の企業は、漢方薬の品質を維持するために、様々な工夫を凝らしている。最先端の技術を誇る生産設備の下、厳格な基準にもとづき原料生薬の厳選から製品化まで行い、品質管理も徹底していて、安全性と質の高さで各國の消費者の心を鷲摑みにしているのだ。とはいえ、世界市場の80%という巨大なシェアは、一朝一夕で簡単に築けるものではなかったはずだ。「日本の漢方薬の発展を支えてきたものは一體何だろう」と真剣に考えてみた。そして、様々な資料を調べた結果、次のようなことが分かった。

江戸時代は、鎖國政策により日本と中國の交流が途絶えた。その時點では、日本に伝わっていた中國の薬學の書籍は少なかった。中國から伝わってきた醫薬の知識は少なくても、日本人はその僅かな知識をもとに、當時唯一の交易國であったオランダから「蘭方」の長所を取り入れ、獨自の漢方を発展させたのだ。一つ例を挙げると、約二百年前に、あるお醫者さんが蘭學で學んだ知識を漢方に取り入れ、龍角散という新しい薬を完成させた。その龍角散は今でも、訪日中國人から「神薬」と崇められるくらい人気を集めている。日本人は國外の文化を、自分達に合うようにアレンジしたり改良したりする能力に優れている。古來より日本人の中に祕められている「異文化への柔軟性」と「完璧さを追求する匠の精神」が、日本獨自の漢方薬を発展させる上でも強く発揮されたのである。「なるほど」と悔しく思いながらも、ようやく納得できた。

一方、中國において千年の歴史を誇る中醫薬の現狀は決して好ましいとは言えないということもわかった。中國の製薬會社は投資の不足や管理體制の不備のほか、設備と技術面の立ち遅れ、農薬や重金屬による汚染など様々な問題に直面しているのだ。そういった現狀は、中醫薬の研究や開発の道に立ちはだかる大きな壁となっている。

研究や開発の成果は生産に還元されるまで何十年もかかるかもしれないが、目先の売り上げや利益だけを追うという短絡的な考え方を変えて、腰を據えてじっくりと研究に取り組むべきだ。中醫薬の本來の姿を取り戻すために、中國は落ち着いた研究を堅持するべきであり、同時に、思考の柔軟性や品質に対する強いこだわりなど、日本の漢方薬に學ばなければならない部分もたくさんあると思う。

獨學で勉強した「日本語」と専攻している「中薬學」のお陰で、中醫薬と漢方薬の違う點を発見しただけではなく、日本という國の素晴らしさをこれまでとは異なる視點で垣間見ることもできた。日中交流が活発になるにつれ、中國の學者や業者が日本を訪れる機會もどんどん増えてきた。中國の政府も日本の漢方を追いかけようと、様々な努力を講じている。私はこれからも一生懸命に専門知識を學び、研究経験を積み重ね、中醫薬のさらなる発展のために自分の力を盡くしたいと思う。

聲明:本內容由第三方機構提供。

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